本日みたいな天気の悪い日にはもってこいなネタ、久しぶりに書く『あれこれシリーズ第5弾』です。このブログを継続して読んで頂いている方はご存知かと思いますが、サスペンションにまつわるテーマをピックアップして『あれこれ』と毎回書いています。毎回、『あれこれシリーズ』はヒット数が高いのもあって、皆様が興味を持っていたり、疑問になっているテーマをピックアップしています。
で、本日のお題『トップアウトスプリング(リバウンドスプリングとも呼ばれています)』ですが、簡単に説明するとメインスプリングに対して相対的な働きをするスプリングです。メインスプリングが縮み側に働くのに対して、伸び側のみに作用します。写真の上がフロントフォークのメインシャフトに組み込まれたトップアウトスプリング、下がリアショック用です。一番効果を体感できるのが、フォークやショックが伸びきったときの衝撃の緩和や、ショックの伸びきり付近でのタイヤと路面の接地が保ちやすい点です。
意外とトップアウトスプリングの存在を知られていないわりには、最新のスーパースポーツにはノーマルショックでも装着されているものが多かったり、ネイキッドバイクでも純正フォークにも採用されているものでもあります。ただ、純正に採用されているトップアウトスプリングは、先ほど書いた伸びきったときの衝撃の緩和を目的としての採用がほとんどです。(これは採用されているレートや長さからの推測です)
今回の本題はここからなのですが、OHLINSはと言うと車体姿勢を変更したい場合にもセッティングパーツ(レート違いや長さ違いが豊富にあります)として活用しています。サスセッティングをやったことがある方なら分かると思いますが、メインスプリングのプリロードを変更した場合、当然同時に車体姿勢も変わってしまいますよね。例えば、フロントフォークのプリロードをかければ、1Gでの沈み込み量が減り、フロントが高くなります。しかし、車体姿勢を変えたくない場合は、トップアウトスプリングのレートや長さを変えてあげると解決します。構造の全てを見せることなく、全てを伝えるのは難しいのですが、一例として何となくイメージできたらと思います。
現在進行中のワンオフ品で、DUCATI996用リアショックでトップアウトスプリングが入っていないものに、組み込むことをやっています。DUCATI996のリアショックは、リンクのレバー比からどうしてもプリロードをかけていくことになってしまうのですが、その代償としてリバウンドストロークが得られなくなります。リンクを変えるという手法もありますが、トップアウトスプリングを導入して車体姿勢を含めて合わせ込むこともできます。出来上がったら、その乗り味を含めて、トップアウトスプリングの効果をまたご報告します。
『トップアウトスプリングのあれこれ』について、より詳しく知りたい方は、10月2日開催予定のサスセッティグ講座中級編にご参加ください!
<サスセッティング講座 中級編>
http://gsense.jp/addmore/event/sus-settingschool
舟橋 潤