街乗りバイクが中心でお仕事をさせて頂いている当店ですが、最近はレース車輌もご用命頂く機会がかなり増えてきています。僕も関野もレース業界で長い事お世話になっているので、レース車輌が元々得意分野ではあるので、今回のようにレース車輌を担当させて頂けるのは本当に嬉しいです。ただ、特にレース車輌と街乗り車輌での考え方や作業の差は基本的にはありません。きっちり動きを出すところは出して、無駄な動きを出さないようにして乗りやすいバイクに仕上げるテーマは同じです。
レース車輌の場合は車体姿勢、スプリングレート、減衰特性、油面、どれをとってもコースの特徴に合わせて重箱の隅をつつくような作業が求められます。一般道では色々なシチュエーションを考えて、ある程度ストライクゾーンを広く取るような柔軟な部分が求められますが、サーキットを走る場合はタイムアップが第一の目的なので、ブレーキング時、旋回時、加速時、切り返し時、タイヤの摩耗度合いなどなど… 各パートに分けて煮詰める作業になります。
そして一番大事なのは、ライダーさんが不安なく気持ちよく走れることです。この部分をしっかり汲み取ってセットアップを進めないと、バイクを操っているのは生身の人間なので歯車が噛み合いません。
今回はOHLINSフロントカートリッジkit、ステアリングダンパー、リアTTX36の3点セットを組み込ませて頂きましたが、僕たちの仕事は組み込むことだけではなく、ライダーさんが不安なく気持ちよく走ってタイムアップすることです。ハード(OHLINS)も重要ですが、ソフトが伴っていないと結果に結びつかないのがサスセッティングです。街乗りバイクの目的は当然タイムアップではなく、しつこいようですが『より安全に、より快適に、より楽しく』ですよ!
舟橋 潤
2010 / 07 / 27
GSX-R600 ST600仕様
カテゴリー お客様カウンセリング, メンテナンス