本日もGPZ900Rを仕上げてお客様にお返し致しました。当店でもご相談の多い前後17インチ化され、前後OHLINSの車輌です。この車輌はフロントにXJR1300用フォークを流用され、ストローク初期は良く動くのに奥の動きが渋くフロントタイヤの接地感が薄いという悩みを持たれていました。逆にリアは動きが感じにくいのに、それなりに動いているというフロントとリアの動きがチグハグな状態でお預かり。約4年3万kmも使用されていたこともあり、きっちりO/Hしてからセットアップを進めていきました。
やはり、約4年3万kmも使用されていると外見も内部パーツもかなり汚れと傷みが進んでいます。しっかり洗浄後、消耗部品を交換して組み上げていきます。今回は、スプリングレート変更なしで現状のパッケージでどこまで問題を解決できるかでセットアップ。オーナー様は現状の乗り味に悩まれているので、大幅に変更を加えてもいいのですが、フロントは油面変更、リアはプリロードの変更で対処してみました。乗れていない状態で大きな変更で違和感を与えてしまうより、現状のパッケージのいい部分でセットアップし、気持ちよく走ってから煮詰めていく上で、スプリングレート変更をされた方がいいと判断しました。このような判断基準は、カウンセリング時にお話をお聞きした中で、汲み取らせて頂いています。生身の人間がどのように五感を通じて感じ、どう解決していくかがサスセッティングの醍醐味です。
舟橋 潤