これまでフロントフォークのインナーチューブ表面処理には一切手を入れずにいました… 理由は単純で再メッキやチタンコート処理をしたことでデメリットもあることを沢山見てきているからです。なので、お客様からご依頼があった場合はデメリットをしっかり説明してご理解頂いた上で御請する形をこれまで取らして頂いてきました。
でも、やっと皆さんにお薦めできるインナーチューブの表面処理を見つけ、手に取り確認しました。
純正倒立フォークでも採用されたことで馴染みもあると思いますが、DLC(Diamond Like Carbon)コートです。金属表面にナノレベルの薄膜をつくることで、従来にない低摩耗係数の表面にすることができる技術です。摺動性向上が得られるのはもちろんのこと、表面硬度はチタンコートの2~4倍以上の硬度を持っています。耐腐食性も得られるので、インナーチューブの縦キズやサビが出る→シールがダメージを受けオイル漏れする前に施すのがベストです。
ノーマルメッキ処理との比較は歴然でフォークを組み上げる段階で大きな差を感じましたが、走り出すとストローク感が伝わりやすく、減衰調整した時の差が分かりやすくなります。路面追従性があがり、まさに上質なフォークに生まれ変わりますよ!
インナーチューブDLCコート価格は左右1セット¥84,000-(税込み)になります。
舟橋 潤