ここ数日、ステアリングダンパーをご用命頂くことが多いので、ステアリングダンパーの重要性を書きたいと思います。最近の車輌には、純正で採用されているものも多くなってきています。この写真のF800Rもそうですが、純正品は割としっかり減衰が効いているものがほとんどです。しかも、低速での動き出しが重く、バイクを取り回すのが重かったり、低速でバランス取るための舵角が入りにくいなど不安定な部分があります。その一方、高速での直進安定性は抜群です。
僕の考えるステアリングダンパーの性能は、低速での動き出しはスムーズで、速い入力があった時だけ減衰が立ち上がるのがベストです。よくステアリングの振られ防止の為にステアリングダンパーを強めて使っている方を見受けますが、基本的にはステアリングダンパーで振られを止めるのはごまかしにしかなりません。また、振られをステアリングダンパーで止めていると、ブラケットやピロボールに変な力が加わるので、ガタが出たりとトラブルの原因にもなります。振られる原因は車体姿勢であったり、セスセッティグであったりするので、根本を見直すことをお薦めします。
OHLINSの調整方法は、ある程度左右にバイクを振った時に、素直に適正に舵角が入る程度がいいと思います。ステアリングダンパーは、ステアリング操作をよりスムーズにする補助的役目だと認識して下さい。逆を返せば、スムーズに動かないステアリングダンパーなら、付いてない方がマシです。ピロボールを含め、動きにガタツキや引っかかりが無いかを常に確認するようにして下さい。
舟橋 潤